Elegant Room Reviveは、2017年の夏に中村 葵・世田谷の小さなアトリエで始めたスタジオです。前職の設計事務所では、予算規模の大きなプロジェクトを多く担当しましたが、「もっと個人の暮らしに近い場所で仕事がしたい」という気持ちが積み重なり、独立を決めました。最初の仕事は、知人の中野区のマンション、40平米のワンルームのリノベーションでした。予算は150万円。その制約の中で、どこに素材のお金をかけるかを徹底的に考えたことが、今のデザインの基礎になっています。
「素材の声を聞く」というのが、中村 葵す。壁紙を選ぶとき、床材を決めるとき、必ず実物のサンプルを現場の光の下に置いて、朝と夕方で見比べます。京都・西陣の和紙クロスを初めて使ったのは2019年のことで、その質感と光の吸収の仕方に驚いて、以来ほぼすべての住宅案件で提案するようになりました。信楽の窯元・土楽窯のタイルも、2020年に直接訪問して以来、浴室や洗面台…

敬具
中村 葵、武蔵野美術大学でインテリアデザインを学んだ後、東京・南青山の設計事務所で8年間、住宅および商業空間のデザインを手がけた。2017年に独立し、Elegant Room Reviveを設立。「素材の声を聞く」という姿勢を大切にし、国産の無垢材や京都の職人が手がける和紙クロスを積極的に取り入れる。休日は鎌倉の古道具市に足を運び、古い家具の構造を観察するのが習慣になっている。「部屋は、住む人の時間が積み重なる場所だと思っています」という言葉が、すべての仕事の出発点になっている。